雪割草(ミスミソウ)の仲間の概要

雪割草

雪割草

ミスミソウの仲間は雪割草の名で福寿草と共に、お正月から早春にかけての鉢花や寄せ植え材料として、古くから親しまれています。近年は専門家や趣味家の育種が進み、目を見張る新しい花が次々と誕生して、日本だけでは無く、世界的な人気を集めています。また、この花は普及する山野草の中でも実生からの栽培や増殖がやさしい種類です。少し開花まで年月を要しますが、初心者でも容易にタネから育て上げて開花を楽しむ醍醐味や、交配作業で、オリジナルな自分好みの花作りを楽しむことができます。開花する山野草の少ない季節、魅力あふれる雪割草に触れてみましょう。

早春の太陽の光をいっぱいに受けて、いち早く花開く山野草の一種がミスミソウです。この仲間はキンポウゲ科ミスミソウ属(Hepatica【以下H.】)の多年草です。園芸的にはこの仲間を総称して別名の雪割草の名で呼ばれていますが、ユキワリソウは正しくはサクラソウ科サクラソウ属の一種で、これを区分けするためにミスミソウの仲間の場合は雪割草と漢字で表現しています。

ミスミソウの仲間と園芸化

この仲間は北半球の温帯に9種程が分布しています。ヨーロッパに2種、ユーラシア中部から東アジアにかけて約6種、北アメリカに2種が、一般的な分類です。この中でもヨーロッパのヘパチカノビリスは分布が広範囲で、変種の姿で東アジアから日本へと分布が広がっています。日本の自生種は全て基本種がヨーロッパに分布するヘパチカ ノビリスの変種や品種で、一般的には2変種3品種に分類されています。この内の一変種3品種が、ミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウで、一変種がケスハマソウです。これらの中でも花の変異が多彩で園芸的に注目されているのがオオミスミソウです。その変異は花弁(学術的にはがく片)の色、枚数、形、それに雄しべや雌しべの色、数、形でなどで、それぞれが多様に変化して同じ花が無い程に多種多様な花を生み出しています。花色も緑色、白色、黄色、紅色から青色へと変異が見られます。花の形については清楚な標準花の一重咲きを基本に、花弁数が際立って多い、多弁花や千重咲き、それに雄しべの形が変化した日輪咲きや丁字咲き、2段咲き、花弁と雄しべ、雌しべが複雑に変化した3段咲きや唐子咲きなどがあります。これらの変異は古くから注目されていて、その始まりは250年程前の江戸時代で「地錦抄附録」では葉の美しさを中心に取り上げられ、150年程前の天保の頃には、当時の花の変異が木版の彩色図鑑「長楽花譜」に記載されています。