日本の雪割草

(提供:大野好弘)

スハマソウ

Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai form. variegata(Makino)Kitam.

分布
神奈川県、東京都、千葉県、標高の低い所に自生する。
花弁状萼片は、卵形又は狭卵形6枚~8枚。花径は18mm~23mm。色は白、または薄紅色。千重咲き、二段咲き、三段咲きが見つかっている。オシベは白のみで、途中から捩れる。
葉は丸みのある、正三角形で括れ、葉先は丸みを帯びる。葉の付け根は 寄り添う。表面は光沢がほとんどない。
総包葉
総包葉の形は広卵形で先が鈍く尖る。
染色体数
2n=14

ミスミソウ

Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai form. japonica

分布
本州の神奈川県、静岡県、山梨県、長野県、新潟県以西(大阪府を除く)及び、四国、九州。南限を大分県とする。
花弁状萼片は、長楕円形で9枚~18枚。花径は10mm~15mmと小さい。色は、 薄象牙色、薄紅色、また、日本海側には黄色もある。二段咲き、千重咲き、三段咲きが見つかっている。
*エチゼンミスミソウ(f.lutea Kadota)はミスミソウの変色個体の一つと考える。
葉は、正三角形又は菱形で、浅く括れ、隙間が少なく葉先は尖る。葉の付け根は重なるか寄り添う。表面は半光沢である。
総包葉
総苞葉の形は、細い三角状で先が尖る。
染色体数
2n=14

オオミスミソウ

Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai form. magna(M.Hiroe)Kitam.

分布
本州日本海側、石川県以北。石川県、富山県、新潟県、山形県、秋田県、青森県。
花弁状萼片は、長卵形で6枚~20枚。花径は20mm~30mmと大きい。色は、白色、紅色、桃色、紫色、緑色等と最も多色。また、花形も乙女咲き、ヘラシベ咲き、日輪咲き、二段咲き、唐子咲き、千重咲き、三段咲きが見つかっている。
葉は正三角形で深く括れ、葉先は鈍く尖る。葉の付け根は重なるか寄り添う。表面は光沢がある。
総包葉
総苞葉の形は広卵形で先が鈍く尖る。
染色体数
2n=14

ケスハマソウ

Hepatica nobilis Schreb. var. pubescens(M.Hiroe)Kitam.

分布
中部・近畿地方の太平洋側と中国・四国地方の瀬戸内海側。
花弁状萼片は卵形または狭卵形で、6枚~12枚 花径は15mm~20mm 色は白色、薄紅色、紅色。日輪咲き、二段咲き、千重咲きが見つかっている。
葉は縦長三角形。葉は括れ、葉先は丸みを帯びる。葉の付け根は重なるか寄り添う。表面は葉脈が盛り上がり艷がない。
総包葉
総苞葉の形は広卵形で先が鈍く尖る。
染色体数
2n=28

アシガラスハマソウ

Hepatica nobilis Schreb. var. japonica Nakai form.candida Ohno

分布
神奈川県箱根外輪山。標高470m以上。
花弁状萼片は卵形で、6枚、まれに7枚 花径は20mm~25mm 色は純白色。強い香りがある。乙女咲きが見つかっている。オシベは色が入る個体が多く、途中から捩れる。
葉はカエデ葉型 葉は深く括れ、葉先は前方寄りになり鈍く尖る 葉の付け根はV字になりやすい。葉の裏は赤紫色になる。
総包葉
総苞葉の形は狭卵形で、先が鋭く尖る。
染色体数
2n=14

ザオウスハマソウ

Hepatica nobilis schreb.var.japonica Nakai form.zaoensis Ohno&S.Tsuru.

分布
宮城県
花弁状萼片: 6〜8弁花、白、桃、卵形、直径22〜28mm オシベは白、紅、途中から捩れる。花茎は根元から途中まで紅褐色その先総苞葉までは緑色。多弁型一重咲き、二段咲きがある。
葉に模様があり、細かな毛が沢山生え、裏も紅色で毛深い。裂片部は重なる。
総包葉
先が尖った卵形
染色体数
2n=14+B染色体

日本の雪割草分布図